数年前から、ひっそりと火が付き始めた廃墟ブーム。
決して『爆発的人気』と謳われないのは、その対象が『誰かの所有物』だからでしょうか。
自分で行くには「不法侵入」のリスクを伴う廃墟探検。
その楽しさの一部を垣間見ることのできる写真集を、chapter3にて集めてみました。
この中でも、一番のオススメはこちらです!
流転 ~緑の廃墟~ / 中筋 純
アスペクト / 9784757223820 / 2300円+税
おそらく多くの人が、廃墟に対して『終わった場所』というイメージを持っているのではないかと思います。
しかしこの本は、そのイメージを真っ向から否定するのです。
人々が生きたその跡に、根を張り生き続けていく植物たち。
捨てられ、朽ちていく建物に手を伸ばす緑の力。
黒と緑と光。
その3つが重なった時、自然の力の偉大さと逞しさ、そして優しさに気付くのです。
知らないはずの場所さえも、どこか懐しく思う不思議な感覚。
気怠さの混じった夏休みの午後、セミの鳴き声を耳にしながら見た夕焼け空。
もうすぐ来る夏の終わり、この写真集を眺めながらノスタルジーに浸ってみるのも良いかもしれませんね。