今回オススメする本は、決して空腹時に読んではいけない本です。
花の下にて春死なむ / 北森鴻
講談社 / 9784062733274 / ¥533+税
オムニバスの短編ミステリーが読みたいと思った時、何気なく手にとってみたこの本。
思っていた以上に楽しめました。
ビアバー《香菜里屋》の客たちが持ち込む「日常の謎」を、マスターの工藤が解き明かす「香菜里屋」シリーズ第1弾。
ジャンルとしては「安楽椅子探偵もの」になるのでしょうか。
本名も身元も隠したまま、独りこの世を去った老人の素性。
とある駅の貸し出し本の中から出てきた、一枚の家族写真。
ある写真家の個展ポスターが次々と盗まれる謎。
赤い手の魔人の怪談。
回転すし屋で、鮪ばかり7皿も食べる男。
ともすれば誰も知ることのない些細な出来事も、目線が変われば想いの残る大きな出来事であるというお話ばかり。
メインの舞台となるのがビアバーなだけあって、工藤の作る料理やビールの描写が素晴らしいです♪
読み進めるほど、美味しいビールが飲みたくなりますよ。
オムニバスとはいえ、各話が微妙にリンクしているので一冊しっかり楽しめます。
この本を読む時は、ぜひアナタの傍らに
冷えたビールとちょっとしたおつまみを置いてお楽しみ下さい☆